浪岡 剛(ナミオカ タケシ)さん 1973年7月生まれ
2002年にはり・灸・指圧マッサージ師の国家資格を取得
2003年東洋はり医学会に入会 札幌支部総務副部長を担当
現在は札幌市豊平区の
『指圧・鍼・灸・マッサージ治療院 たんとん』の院長を務めておられます。
090-2690-8891(浪岡先生 直通)
当日は治療院「たんとん」におじゃましてお話を伺いました。
Q:ここににいたるまで紆余曲折があったように伺っていますが・・・経過をおおまかに教えていただけますか。
A:大学を卒業して普通に会社勤めをしていたのですが、目の事故で失明したんです。そのあと、専門学校に入り鍼・灸・指圧マッサージの資格取得にのぞみました。
Q:そうでしたか…急だったんですね。そのような中で浪岡先生はパソコン活用にとてもたけているそうですね。
A:大学生の時、パソコンと経営学を併せた学部だったものですから、ブラインドタッチ(キーボードを見ないで入力する)や簡単なプログラム作成も覚えていました。そのことが、目が不自由になったあとからとても役にたったんです。
Q:鍼灸(しんきゅう)専門学校でもパソコンの活用をしたのですか?
A:はい、講義内容をパソコンに同時入力してノートを取る方法を最初に手がけたんです。私のように途中から目の障害を受けた場合には点字よりはパソコンの方が重宝かも知れません。
Q:突然、鍼灸(しんきゅう)の道に進まれて、どのような感想をお持ちですか?
A:患者さんが私を全幅の信頼で身体をあずけてくれることに最初は自分ながら驚きました。医療ですから当たり前とはいえありがたいです。痛みや辛さからやわらいで行くのに接すると、自分のことのようにうれしくなってしまうんです。
Q:そうですか・・・ご自分も苦労されたので、置き換えて感じておられるんですね。東洋はり医学会に早くに入会されたきっかけは何でしたか?
A:鍼灸専門学校の学生の時、東洋はり医学会札幌支部の支部長先生が来てくれて、『奇経治療』の講義をしてくれたんです。学校の授業とは違い、実践的に理論立てしていて解りやすかったんです。「手から手へと技術伝達をしていただけるということで、一日も早く鍼灸で自立するために、卒業した翌年に入会することにしました。
Q:入会してからの札幌支部の印象はどうでしたか?
A:私の勤務先の都合で毎月の研修会に出席できないことも、時々あったんですが、支部の先輩の先生方があたたかく受け入れてくれて、何とか前向きに続けることができました。それから・・・同世代の女性の会員が多いせいか、会の雰囲気がギスギスしていなくて、なごやかな空気なんです。それでいて緊張感もあるんですよね。
Q:そうですか。支部のメンバーにいい影響を受けておられるんですね。技術面ではいかがですか?
A:何といっても、手を添えてツボ取りなどを教えていただけるので、とても助かりました。虚実の切診での見分けなど微妙な感触の違いを指の腹や手の平でわかるまで教えていただきました。
Q:手や指の感触って経絡治療には特に重要だそうですね。浪岡先生が日ごろ注意されている治療ポイントってありますか?
A:はい、鍼灸(しんきゅう)経絡治療と指圧・マッサージを治療日ごとに区分するようにしています。鍼灸の効果と指圧・マッサージの効果をハッキリ分けた方が患者さんの今後に活かすことができるのではと。
Q:同じ患者さんで同じ日に重複した診療をしないということなんですね。
A:それから・・・女性の患者さんには皮膚やお腹に触れる前に必ず「診てよろしいですか」と確認するようにしています。信頼を得ることがとても鍼灸では大切なことと思っています。男性の患者さんも当然そうしていますが。
Q:今後、治療家として何を目指したいと思っておられますか?
A:弟子を持ちたいというか、鍼灸治療家を目す後輩に自分が教わってきたように、治療技術や患者さんとの対応を伝えていければいいかなあ・・と。
[浪岡先生のインタビューを終えての感想(石川)]
「お弟子さんを面倒みたい・・」とおっしゃった背景には浪岡先生は子どものときからのリーダーシップがあるのかと思いました。釧路の中学校では生徒会副会長、高校では会長を努めていたことを伺いガッテンしました。東洋はり医学会札幌支部においてもリーダーのおひとりとして、今後の一層のご活躍が期待されるものと思われます。
◇『指圧・鍼・灸・マッサージ治療院』
・札幌市豊平区中の島1条9丁目5―16
・浪岡先生の治療を受けるには予約またはお問合せを TEL 090-2690-8891
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